ホワイトワトソン水彩紙のレビュー
ホワイトワトソンの水彩紙レビューをしてみたいと思います。ホワイトワトソン水彩紙は株式会社ミューズ(MUSE)が販売する日本製の水彩紙です。ホワイトワトソンの紙は塩素を使わずに白くし水彩絵具の発色が特に良いとの説明です。チャコール、パステルの乗りも良いようで今回レビューする中厚口以外にも薄口と超特厚口 300g/4/6判(1,091mm×788mm)もあります。
ホワイトワトソン水彩紙の特徴
- 中目
- 細目・・・細密画・ボタニカルアート・色鉛筆に適する
- 薄口 190g/m2
- 中厚口 239g/m2
- 特厚口 300g/m2
- 中性紙
- 塩素不使用
- コットン交配合
- 日本製
- ブロックF10号 1枚当たりおよそ256円
ホワイトワトソン水彩紙のレビュー
ホワイトワトソン水彩紙のサンプルを入手しました。ホワイトワトソンの裏面もマチェールがあり、何も描かないのはもったいないという印象を受けました。もしもブックタイプのホワイトワトソンを使う際には裏面も使うと紙の節約になっていいですね。ホワイトワトソンを手に持った感触は、やはりウォーターフォードやストラスモアやアクリルデネブと比べるとぺらいなという印象でした。
ホワイトワトソン水彩紙の裏面
ホワイトワトソン水彩紙の説明を読んでみると、材質はコットン高配合とのことなのですが、具体的にどれくらいの割合でホワイトワトソンにコットンが入っているかはまったくわかりません。私のイメージでは7割ほど入っていたら高配合といえるでしょうが、消費者に抱かせるイメージと現実は違うかもしれませんね。1%配合で高配合とうたってる化粧品や食品を作ってる企業も多数ありますからホワイトワトソンもまたそういった企業と同じなのかどうかは文章からはまったくわかりませんし、コットンが欲しい人はホワイトワトソンを買うにはリスクがありそうです。
ホワイトワトソンには細目の水彩紙もあるようで、細目はボタニカルアートや細密画に適しているとのことですが、私はいまだに画材店でホワイトワトソンの細目を一度も目にしたことはありません。
ホワイトワトソン水彩紙の特徴は公式な説明では保水力がありマスキングに強い表面強度があり鮮明な発色で水に強く毛羽立ちが起こりにくいとのことです。
ホワイトワトソン水彩紙の説明書きをさらに読んでみると、用途は水彩絵具とアクリル絵の具とパステルと鉛筆と色鉛筆とチャーコールであると書かれており、要するに「何にでも使えるので買ってね」と言いたいことが伝わってきます。
水彩紙レビュー:ホワイトワトソン
(iPhone, iPad, Mac以外のモニターでは灰色がかって見えるかもしれません。高演色モニター以外ではくすんで見える可能性があります。特に低反射スクリーンの場合汚く見えます。)
ホワイトワトソン水彩紙の表面にホルベインの透明水彩キナクリドンマゼンタとイミダゾロンイエローとフタロブルーイエローシェードを塗りました。
ホワイトワトソン水彩紙の白色度の比較
ホワイトワトソン水彩紙の紙色は、ウォータフォードホワイトやストラスモア水彩紙とほぼ同等の白さですが、アクリルデネブやファブリアーノアルティスティコホワイトやムーラン・ドゥ・ロワより白さは劣ります。アルビレオ水彩紙よりホワイトワトソン水彩紙のほうが明るいです。
つまり、ホワイトワトソン水彩紙の比較対象はウォーターフォードホワイトが一番近いといえましょう。ホワイトワトソン水彩紙はウォーターフォードホワイトが高くて買えない人におすすめの水彩紙であり、ホワイトワトソン水彩紙からのステップアップにはウォーターフォードホワイトが適しているといえましょう。
ホワイトワトソン水彩紙 中目の表面のマチェールの比較
ホワイトワトソン水彩紙の中目は、左上から右下に向かって斜めに目が機械的に漉き込まれています。この一定方向への斜線まで気にする人がいるかどうかはこの紙を使うレベルの人にいらっしゃるかどうかはわかりませんが、気になる人はホワイトワトソンを避けたほうがよいでしょう。
ホワイトワトソン中目の目の荒さは、ストラスモア水彩紙中目と似たような感じですが、ストラスモア水彩紙の目は横方向に静かに整っており、ホワイトワトソンみたいな斜線はありません。私なら目の好みという点ではストラスモアを選ぶでしょうがストラスモアは若干ナチュラル色が出ています。そのストラスモア中目の目はアルティスティコ荒目と似たようなパターンです。ホワイトワトソン水彩紙の目の深さはウォーターフォードホワイト中目より目に見えて浅いです。
ホワイトワトソン水彩紙の発色やぼかし・にじみの比較
ホワイトワトソン水彩紙の発色について一言で述べるとパステルっぽい、浅いと言わざるを得ません。なぜこんな発色になるのかわかりませんが、まるで透明水彩絵具にほんの僅かに白を混ぜたような発色といいますか、他の水彩紙と比べると明るく、そして僅かに淡い印象を受けました。ホワイトワトソン水彩紙とウォーターフォードホワイト中目の発色を比較しますと、ウォーターフォードホワイト中目のほうが数段濃く発色しています。発色の傾向はシリウス水彩紙に近いといえましょう(紙の色の影響を除いて比較)。
ホワイトワトソン水彩紙の拡大写真
(iPhone, iPad, Macなど高演色モニターでしかこの写真に近い色が出ません。)
ホワイトワトソン水彩紙は、淡い塗りがお好きな人にはおすすめの水彩紙といえましょうが、深みを出すことは無理ではないかと思います。ホワイトワトソン水彩紙は、塗り重ねには厳しい水彩紙といえましょう。もしかしたらホワイトワトソンは鉛筆系の画材のほうが適しているかもしれませんね。
ホワイトワトソンのぼかし技法の使用については普通といいますか、値段なりといった印象がありました。高級水彩紙と比較しますと無理やり筆で絵具を引っ張ってやらないと絵具が動かない、にじませたりぼかせない印象です。ウォーターフォードホワイトと比べるとにじみやぼかしの品質は、明らかに格下だと言わざるを得ません。
手持ちの水彩紙の中ではホワイトワトソンと同じ淡い発色の仕方をする水彩紙は無いので、こういった特徴的な色の出方を求める方には必要な紙だといえましょう。
うーん・・・発色ではアクリルデネブのほうが各段に良いですね。
ホワイトワトソンを水彩紙の観点からレビューしますと、正直いって値段の割に・・・といった感じです。ホワイトワトソンのブロックを買うならあと数百円~千円出してウォーターフォードホワイトのブロックを買ったほが水彩画ではマシだと言わざるを得ませんあし、ホワイトワトソンは独特ですので透明水彩の初心者にはおすすめできない水彩紙です。発色が淡いので、ともすれば余計に下手に見えるかもしれません。ストラスモアは白色度がちょっと下なので、用途が合ってるならストラスモアのほうが厚みもありマチェールも落ち着いているので良いでしょう。もしかしたらアクリルや色鉛筆など他の画材ではホワイトワトソンは素晴らしいのかもしれませんが、透明水彩ではイマイチでした、こんなレビューになってしまいすみません。
- アクリルなど不透明な塗りに適している(不透明◎)
- 透明感を生かした水彩塗りには不向き(透明度を生かした塗り▲)
- 深みや高級感を出したい水彩塗りには不向き(風景・静物画▲)
- 幼稚感を出すのに適している(空想画◎)
- 女子学生に流行中のカワイイ系◎
- 茶・黒・ダーク系▲
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