上級者から専門家におすすめの水彩紙

上級者~プロフェッショナル・水彩画家におすすめの水彩紙

プロレベルの方におすすめの水彩紙を紹介したいと思います。趣味の絵画歴は長くとも水彩画で1円も稼いだことのない(売る気や働く気がない)私が紹介するのもおこがましいですが、多くの水彩紙を入手しテスト・レビューする機会がありましたのでレビュー結果をもとにおすすめの水彩紙を紹介します!そこまでの方となると、経験も豊富で努力もされておられるでしょうから、このようなページをご覧になることはまず無いとは思いますが・・・よかったら気に入った水彩紙をポンっと買っていただければ幸いです。

マルマンオリーブスケッチブック(下絵用として一押し)

私が最初にプロフェッショナルの方にご紹介する水彩紙(スケッチブック)はまさかのマルマンです(笑)バカにすることなかれ、その道でお稼ぎになっておられる先生方もお使いになっていらっしゃいますから、ご覧の先生方にも是非買って行っていただきたいおすすめのスケッチブックです。プロっぽい視点から述べますと、まず値段がやすい割に紙の作りが硬くしっかりしており下絵に使えるという点が挙げられます。白色度もコピー用紙の白ですので、色の確認にも使えます。表紙と裏表紙のコストはボール紙で抑えられて退色しますけど、業務用としては何の問題のない品質でカルトンも不要です。水彩紙の表面の凹凸には愛嬌がありまして、穴の中に絵の具が溜まり、水玉模様になることもしばしばですが、そこはかわいいので許してしまいたくなります。2012年から2014年あたりに一時期製造が危ぶまれ価格も上昇しましたが、2016年には何とか価格も持ち直して頑張ってますのでごひいきにしていただきたいスケッチブックです。

マルマン B3 スケッチブック オリーブシリーズ 厚口画用紙 20枚

ファブリアーノアルティスティコ エキストラホワイト(発色・ホワイト度・紙質の最高峰)

言わずと知れた、ハイレベルなホワイトと、高品質なコットン100%の水彩紙で発色もにじみも最高級の水彩紙です。透明水彩での作品用途としておすすめの水彩紙です。アクリルなど他の画材でアルティスティコを使うのはもったいないですね。
今回私が水彩紙をレビューして一番驚いたのがムーラン・ドゥ・ロワです。ヨーロッパにはこんなに良い紙があるんだなと。白色度と発色はファブリアーノ・アルティスティコと同等ですが、発色に微妙な違いが認められます。どう違うかはプロ目線でしかわからないと思いますが、ムーラン・ドゥ・ロワの極細ではマゼンタが一番良く発色する割にはフタロブルーとイミダゾロンイエローは少々微妙な発色をして、荒目ではフタロブルーイエローシェードの発色は良いのですがマゼンタとイエローが微妙になったり、細目はフタロブルーイエローシェードとイミダゾロンイエローの発色は良くてもマゼンタの発色が微妙になったりと、少々独特の水彩紙ですが塗り重ねるとこれらの差は無くなりファブリアーノと同等の性能であるように感じました。
キャンソン ムーラン・ドゥ・ロワ水彩紙ブロック 305X455mm

おすすめの水彩紙 上級編の編集後記

今のところ、私が自信をもって上級者やプロフェッショナルにおすすめできる水彩紙は、ファブリアーノアルティスティコとマルマンオリーブしかないですが、もしもほかにも水彩紙を入手する機会がありましたらリストに追加したいと思います。ムーランも白色度が高いので一応おすすめの中に入れてみましたが・・・実に微妙な発色であり見方によってはダメかもしれませんので合う合わないは実際におためしになってみるとよいでしょう。発色は劣るものの、製品としての安定性ならやはりウォーターフォードホワイトあたりかと思いますが・・・ウォーターフォードはプロ目線では発色が上記2種に劣るので今回はおすすめには加えませんでした。アルシュはもったいなくてまだ開封してませんので、これからこのリストの中に入るかもしれません。