ウォーターフォードホワイト中目300gの水彩紙レビュー

ウォーターフォードホワイト中目300g

ホルベインが扱っている水彩紙「ウォーターフォードホワイト」の中目300gのレビューをいたします。第一回目の水彩紙のレビューは、ぼかしとにじみです。テスト日は2016年10月18日に行いました。

主な特徴

ウォーターフォードホワイトはイギリス（英国）の水彩紙でセントカスバース工場で抄造されました。英国王室水彩画協会認定の水彩紙です。

イギリス製
コットン100%
中性紙
中目
ペーパーカラーはホワイトですが「ファブリアーノアーティスティコエキストラホワイト」と比べると1段階明度が下がります（筆者の目視による確認）。「ランプライト」「アルビレオ水彩紙」より明るいです。「アヴァロン」300g中目より僅かに暗いです。「ストラスモア」300g中目より、ほんの僅かに明るいです。「クレスター水彩紙」210gより明るいです。「ホワイトワトソン」より僅かに暗いです。「アルティスティコトラディショナルホワイト」より白いです。凹凸があるため「デネブ」より暗く見えます。「ムーラン・ドゥ・ロワ」中目細目より僅かに暗いです。
表面強度が強い

紙の特徴

ウォーターフォードホワイト中目300gの紙の白さは先に紹介しました。およそマルマンのArt spiralと白色度は同じと考えてもよいでしょう。ウォーターフォードホワイト中目の水彩紙の表面のエンボス加工のせいで影が出ますので、展示の際には若干暗く映るのではないかと思います。

ウォーターフォードホワイト中目300gの裏面

ウォーターフォードホワイト中目の裏面は、表面よりも目が細かくなっており、細目くらいではないかと思います。裏面も上質ですので、スケッチに使えると思います。

発色

ウォーターフォードホワイト中目300g

（iPad Pro 9.7インチの照度50%に最適化しています。普通の液晶で見た場合、実物はもうちょっと色濃く発色が良いです。黄色ももっと鮮やか。）

一番上は、ホルベインのコバルトブルーヒューです。左からキナクリドンマゼンタとイミダゾロンイエロー、フタロブルーイエローシェードです。

にじみとぼかし

見てのとおりぼかすのに手こずりました。紙の特性なのか自分がミスったのか、今となってはわかりません。ウォーターフォードホワイト荒目のほうがにじみは素直に出てますので、中目は個性的で絵具の方向性が読み難いかもしれません。

水彩紙レビュー:ウォーターフォードホワイト中目300gの表面の拡大写真

鮮やかさについて。ウォーターフォードホワイト中目の表面に目立つエンボスがありますので、ぱっと見ただけでは、彩度・明度ともに最高クラスより一段階落ちるように見えます。よく見ると、発色や絵具の吸着力は最高ランクなのですが、鮮やかさは暗みが入るためホルベイン「ストラスモア」水彩紙300g中目より劣るようにも見えます。最高明度・彩度から僅かに落ち着いた色合いになります。

ただちょっと気になる点が。このウォーターフォードホワイト中目300gは、目が粗いので、べた塗りはできず、塗った跡に紙の白い点々（濡れていない部分）が細かい点となって見えるんです。上記写真のように白く目立つ点になっているところもありますので、白い点が出ることを好むかどうかで必要性が違ってくると思われます。そして一番上のコバルトブルーヒューを塗った周辺に、うっすらと輪じみができています。

最高級のファブリアーノやアヴァロンの水彩紙と比べると、やや色濃く見えます。

初心者の方にはこれらの事はまったく問題ありませんので、安心しておすすめできるスケッチブックであると思います。