ウォーターフォードホワイト水彩紙荒目300gのレビュー

水彩紙レビュー:ウォーターフォードホワイト荒目300g

4枚目のレビューである水彩紙の「ウォーターフォードホワイト」荒目300gにたどり着くまでに、実は何十時間もかかりました！それというのも、卓上で見た水彩紙の色と、パソコンのモニターで見た水彩紙、そしてiPad Pro 9.7インチで見た水彩紙の色がまったく別物というくらいに違っており、パソコンモニターとiPad Pro 9.7インチディスプレイの表示を統合するためにかなりの時間がかかりました。それでも完全に同じというわけではないのですが、そこそこ似たようなディスプレイの色に調整できましたので、やっとこれから本格的なレビューが書けるというわけです。

主な特徴

ウォーターフォードはイギリス（英国）の水彩紙です（何度も書いてたら覚えちゃいました）。表面強度が強く、さまざまな技法い耐える英国王室水彩画協会認定の水彩紙です。

イギリス製
300g
中性紙
荒目
表面強度あり
ホワイト度は中目より少し暗くなります。

簡単にウォーターフォードホワイト荒目300gの特徴をまとめると、こんな感じです。

紙の特徴

では、さっそく水彩紙をレビューしたいと思います。ウォーターフォードホワイト荒目を手に持った印象は、カサカサとして、手触りはあんまり好きじゃないタイプ。でもこのザラザラが絵具や顔料を画面に定着してつなぎとめておくために機能していることは、実際に塗ってよくわかりました。

水彩紙レビュー:ウォーターフォードホワイト荒目300g裏面

見えるかどうかわかりませんが、うっすらと大きなエンボスが見られます。このエンボス加工は特にパステルやクレヨンのような大雑把な表現や大作に適していると思います。ここまで荒いスケッチブックはあまりありませんので、作品用の選択肢になると思います。

発色とぼかしやにじみ

水彩紙レビュー:ウォーターフォードホワイト荒目300g表面

（iPad Pro 9.7インチ照度50%に最適化しており普通のモニターでは彩度が低く出るかもしれません。）

上から、ホルベインのコバルトブルーヒュー、左から同じくホルベインのキナクリドンマゼンタとイミダゾロンイエロー、フタロブルーイエローシェードです。

水彩紙レビュー:ウォーターフォードホワイト荒目300g表面の等倍

普通の液晶モニターではピンクの色がくすんで見えますが、iPad Pro 9.7インチで見た方が割と見た目に近いです。ウォーターフォードホワイト荒目の発色はなかなか良いです。

特筆すべきことがあります。このウォーターフォードホワイト荒目の絵具の拡がりはたいへん美しいです。同じ紙の中目よりも、にじみに見ごたえがあります。

この水彩紙の発色は、絵具が水彩紙に付着しやすいので、色濃く出ます。発色は同じ紙の中目とほぼ同じですが、絵具の粒子が水彩紙の表面によく定着しますので、鮮やかな色を濃く塗りたい時（塗り重ねたくない場合）に適しているように思います。つまり少し厚塗りのような感じになります。もちろんウォーターフォードのナチュラル色よりも色鮮やかです。「ファブリアーノアルティスティコエキストラホワイト」や「ムーラン・ドゥ・ロワ・ホワイト」「アルビレオ」水彩紙218g中目と比べると鮮やかさでは一歩及びません。「ストラスモア」中目との比較ですが、発色はストラスモアのほうがわずかに勝っているように見えますが、展覧会などで遠くから見る程度には区別はできません。「ストラスモア」はウォーターフォードホワイト荒目300gより絵具が拡がりにくい印象です。

このウォーターフォードホワイトもまた、写真上部のコバルトブルーヒューの彩色では、水を下塗りした境界線に絵の具が溜まっており輪じみになています。